国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによると現在サメ・エイの37%が絶滅の危機に瀕しています。
サメによって命を奪われる人間は毎年平均4人ですが、フカヒレスープや肉のために殺されるサメの数は毎年1億匹以上であるといわれています。
つまり、1日に約24万7,000匹のサメが殺され、1時間ごとに11,000匹のサメが殺されているということになります。

サメの保護が必要な理由について

サメに限らず、過剰漁獲された魚類は生物学的に持続不可能となってしまいます。
どのような対策を講じたとしても、すべての魚種資源を短期間で再構築することはできません。

漁獲量に対する管理規制が効果的な結果をもたらすためには、通常、その魚の寿命の2〜3倍の期間が必要となります。
魚類の中でもサメは長寿種です。

今日では、一部のサメの個体数が人間のサメ漁業や混獲、海洋汚染などによって60〜70%減少しています。
サメの寿命は非常に長く、成長も遅く、繁殖しても一度に数匹の子供しか産めない種もあり繁殖率が低いため、乱獲や環境の悪化などの外的な影響を非常に受けやすいのです。
多くのサメたちは個体数が減少するのと同じ速度で個体数を増やすことは困難ということになります。

海のギャングと揶揄されるサメたちですが、再繁殖して乱獲の圧力から回復する能力は非常に低いのです。

このサイトでは、サメの保護活動についての情報をお届けします。

サメと人間の関わり

昔からサメはさまざまな目的で人間に利用されてきました。

サメの皮

サメの皮(シャークスキン)は牛革のような高品質の皮としてハンドバッグや財布、靴などに加工されます。また、サメの皮は紙やすりの代用品として使われたり、高級なわさびおろしとしても利用されています。

サメの肝臓

サメの肝臓には大量の油「スクワラン」が含まれています。スクワランからはビタミンAを抽出したり、薬やサプリメント、化粧品などにも使用されています。

サメの歯

サメの歯はアクセサリーとして利用されています。

サメの骨

サメの骨は軟骨でできています。その軟骨からとれるのがサプリメントでおなじみのコンドロイチンです。

サメの肉

サメの肉はあまり多く出回るものではありませんが、イギリスのフィッシュ&チップス、日本の練り物などの加工品の原料、また山陰地方では昔の保存食としての名残から今も郷土料理としてサメ肉が食べられています。

サメのヒレ(フカヒレ)

フカヒレは中華料理の高級食材としておなじみです。大型のサメのヒレほど高価とされ、ジンベエザメのフカヒレは1匹分で200万円にもなるといわれています。

サメは捨てる部位がないといわれるほど活用でき、フカヒレの市場価値が高いことが乱獲や密漁につながっているのです。

サメが直面している危機

乱獲や混獲

フカヒレ、サメの肉、肝油を目的とした刺網、トロール網、はえ縄を使ったサメ漁。中には違法な密漁、フカヒレだけを取り去り、体の残りの部分を捨ててしまうフカヒレ漁が問題となっています。

海洋汚染

水質悪化による海の酸性化、川から海に流れてきた汚水や農薬、薬品類による汚染により生物濃縮が起きた量の有害物質が体内に蓄積してしまいます。 また、海洋に投棄されたゴーストネットと呼ばれる漁網に絡まったサメは逃れることができずに死んでしまいます。

スポーツフィッシング

日本ではなじみがありませんが、海外では人気のスポーツフィッシング。ジョーズ公開後には多くのホホジロザメがスポーツフィッシングの犠牲となりました。また、アオザメは派手にジャンプするためスポーツフィシングの愛好家たちの間で人気です。